受験生の方へ|卒業生の声

卒業生に聞きました

国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所
卒業生
地球環境工学科 船舶海洋システム工学コース卒業(2006年)
海洋システム工学専攻 修了(2007年 早期修了) 博士後期課程修了(2010年)

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Q1 地球環境工学科 船舶海洋システム工学コースを選んだ理由

大きくて動くモノを造りたいというシンプルな理由で船舶海洋システム工学コースを希望しました。本来であれば自分がやりたいことや就職先をもっと考えて選ぶべきだったのかなと思い返すときもありますが、研究という好きなことを仕事にできている現在の状況を考えると自分の選択は間違っていなかったと思います。また、船舶工学は総合工学と呼ばれることもあり、学生時代に幅広い分野について学ぶことができました。このおかげで幅広い分野の研究テーマに取り組むことができ、自分の長所となっています。

Q2 現在の仕事の内容

高性能な舶用プロペラを設計するための数値計算プログラムの開発、そして、開発したプロペラの性能を高精度に評価するための水槽試験装置の開発を行っています。最近は、米国のマサチューセッツ工科大学(MIT)との産学官連携プログラムの一環としてMITに留学し、留学中に学んだ技術や知識をベースにしてAIを用いた高性能プロペラの設計手法の開発について研究を行っています。

Q3 現職を選んだ理由

研究室に配属されて研究の面白さを知り、就職してからも研究を続けたいと思い、研究者という道を選びました。また、機械学習や最適化手法に関する研究に興味を持ち、船舶海洋分野の様々な問題をこれらの技術で解決したいと思い、博士課程まで進みました。卒業後も自分の長所を生かしながら他の分野の技術も習得して成長して行きたいと考え、船舶海洋分野で世界トップレベルの研究所である海上技術安全研究所に就職しました。最先端の研究施設・装置を使い、優秀な研究者と一緒に研究できるという非常に恵まれた環境で働いています。

Q4 大学時代に学んだこと

独りではできないことも色んな人と協力することによって成し遂げられることです。研究室に配属されたばかりの頃は、研究に問題が発生したときもひとりで悩んで苦しむことが多かったのですが、先輩や先生と相談して解決策を探るようになって、悩む時間が減って研究が上手く進むようになりました。また、後輩と協力して大規模最適化プログラムを開発して、従来解けなかった最適化問題が解けるようになった経験を通して、協力することの重要性を改めて学びました。最近は、この経験を糧に複数分野の研究者や技術者と一緒に横断的に研究テーマに取り組んでいます。

Q5 やっておけばよかったと思うこと

もっと色んな国へ旅行・留学して、様々な国の文化を知り、もっと友達を作っておけば良かったと思います。国際学会発表等で海外に行く機会が多いのですが、研究の情報交換をするだけで、友達のように親しくなることがあまりありません。学生の頃から海外の人々と仲良くなる素養を鍛えていれば、もっと世界中の研究者とネットワークを作れたと思います。

Q6 大学時代の思い出

ソフトボール大会や九重研修などの船舶コースのイベント、ゼミや学会発表などの研究室での出来事など色んな思い出がありますが、一番印象に残っているのは学部3年生の製図です。1年かけて1隻の船の基本設計と構造設計を行い、ライン図まで描き上げるという大変な講義ですが、船の設計を肌で感じることができる貴重な講義でもあります。同級生とみんなと協力して、たまに徹夜をしながら図面を仕上げた後の達成感は未だに忘れられません。その図面は製図の記念として今も大切に保管しています。

Q7 後輩へのメッセージ

近年のIT産業や自動車産業に比べ海事産業はあまり目立つ産業ではありませんが国内外の物流を支える非常に重要な産業です。最近はAIやIoT技術を導入した自律船の開発も進んでおり、今後、これまでにない革新的な船舶や物流技術が生み出されると思います。モノ作りや物流に興味があって、自分の新しいアイディアで世界の海事産業をリードしていきたいと思う方がいれば、ぜひ九州大学船舶海洋システム工学コースを希望してください。

川崎重工業株式会社 船舶海洋カンパニー 技術本部 基本設計部
卒業生
地球環境工学科 船舶海洋システム工学コース卒業(2009年)
海洋システム工学専攻 修了(2011年)

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Q1 地球環境工学科 船舶海洋システム工学コースを選んだ理由

元々、橋やダムなど大きな構造物に興味があって選んだ学科でしたが、各コースの紹介を聞くうちに、『大きくてかつ動く構造物』である船に魅力を感じ、船舶海洋システム工学コースを選びました。

Q2 現在の仕事の内容

現在は船の基本設計を担当しています。基本設計ではお客様のニーズに合わせ、船のコンセプトやデザインを設計・提案し、さらにお客様との技術交渉を通じて詳細デザインを決定していきます。また、新たな船の開発業務にも関わっており、船の配置や搭載する機器類を検討したり、展示会などで新開発の船を紹介することもあります。

Q3 現職を選んだ理由

大学で学ぶうちに、より船が好きになり『自分の思い描いた船が目に見える形になる』点に魅力を感じて造船会社を選びました。就活中、多くの造船会社を見るなかで、会社の雰囲気が自分に一番合うと感じたのが今の会社です。入社して7年目になりますが、当時の選択は間違っていなかったと感じています。

Q4 大学時代に学んだこと

一番は『協調性』だと思います。現在の仕事では専門知識ももちろん必要ですが、社内外の多くの人と関わる中で、信頼関係を築き、互いに協力して仕事を進めていくことが大変重要だと感じています。大学時代に課題や研究、バイト、船舶海洋コースの様々なイベント等を通じ、『周囲と積極的にコミュニケーションを取り、協力して物事を成し遂げることの大切さ』を学べたことは今の仕事でも活きていると思います。

Q5 大学時代にやっておけばよかったと思うこと

学生の間にもっと海外旅行や、留学生と接する機会を持てばよかったなと思います。

Q6 大学時代の思い出

勉強、研究、バイト、遊び、旅行…と、とても濃い6年間だったので挙げればきりがありませんが、友人や先輩後輩、先生方とお酒を飲みながら、将来についての真面目な事から、ふざけた事、先生と奥様の馴れ初めまで、時間を忘れて話した宴会の数々はどれも良い思い出です。また、糸島で開催される夏フェスにスタッフとして何度か参加したのも、大学や会社ではなかなか体験できない貴重な体験だったと思います。汗だくでクタクタになったはずですが、楽しかった記憶しかありません。

Q7 後輩へのメッセージ

会社に入って、社内はもちろん、他の造船所や船級協会、船会社などに勤務する九大OB・OGの方に会う機会も多く、展示会や打合せの場で、情報交換をしたり、良い刺激をもらうことも多々あり、今でもその繋がりに助けられています。九大船舶だけでなく、学生時代の経験や人との繋がりが、どんな形で将来活きるか分からないからこそ、様々なことに興味を持ち、積極的に挑戦してください。

Q8 受験生へのメッセージ

受験生の皆さんの中には、船に馴染みの薄い人も多いと思います。ですが、将来自分が設計した船が石油や天然ガスを運び、それを燃料に電気がつくられ、家庭の灯りとなり、工場を動かし、電車を走らせる。また、自分が現場に立って造った船が小麦や数多くの食料品を運び、食卓に並ぶご馳走になる。そんな普段とは少し違った視点から、皆さんの生活を支える船を見て、船造りに興味を持ってもらえたらと思います。

三井海洋開発株式会社 技術部 レイアウト設計 (構造)
卒業生
地球環境工学科 船舶海洋システム工学コース卒業(2013年)
海洋システム工学専攻 修了(2015年)

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Q1 現在の仕事の内容

私は海洋資源開発を行う会社において、構造エンジニアとして勤めております。
現在はブラジルへの長期出張中で、日々社内外問わず、様々な国籍の方と協力して、FPSOという一つの海上工場を安全に運行する為に働いています。石油という人々の生活に欠かせない資源の生産を担っているので、工場の状態を維持したり、発生した問題を迅速に解決したりすることは、とても重要な仕事になります。

Q2 現職を選んだ理由

①海外で働きたいという思い、②資源開発分野への関心、③大学で学んだことが生かせる、という3つの点をBaseとして就活を行っていました。話をさせて頂いた中で、一番真っ直ぐで熱い思いを持った社員の方々だと感じて、今の会社を選びました。日本を拠点に世界で1位2位を争っているなんて、ワクワクしませんか!?

Q3 大学時代に学んだこと・やっておけばよかったと思うこと

海外で働いていることもあり、もっと他の言語や文化に触れておけばよかったと思っています。九州大学には留学生が数多く、在籍しています。海外に行かなくても、異なる言語・文化に触れることが出来る事は非常に恵まれていると思います。是非積極的にその場を生かして、視野を広げて頂きたいです。

Q4 後輩へのメッセージ

恐らく皆さんが想像している以上に九州大学で得た経験・知識が後々の仕事・人生に生かされてきます。「後悔先に立たず」…分かっていても、多くの方が後悔の念に駆られる経験をしてしまいます。ただ、この言葉を心の片隅に置いておくだけでも、物事に取り組む姿勢がガラッと変わってくると思います。是非積極的に様々な事にチャレンジして下さい!